矯正歯科

人間(ヒト)の歯の噛み合わせには様々の個性があります。
即ち、個々の歯の型および歯並びが個人に依って異なり、そのヒトの正確をも表現し得ると言われています。
もちろん歯並びがよくないと咀嚼能率が落ちてせっかくの食物の栄養を充分吸収することができないのみならず、顎関節症(顎関節の疼痛)や発音障害を生じます。

上顎前突、下顎前突や開口のヒトはいつまでも幼稚語の発音が残り、サ行、タ行の発音が正しく出来ません。
また、乱杭歯(八重歯)のヒトはブラッシングが難しく、う蝕(虫歯)を多発し、歯周病を件発することがあります。一方、歯並びが悪いと人前へ出て会話することが消極的になり、性格が次第に自閉症になることもあります。

矯正治療の目的は上記の症状を取り除くと同時に顎、顔面、および頭蓋の発育を正しい方向へ誘導しようとするものであります。

この目的を達するためにはヒトの発育成長と共に治療効果を挙げなければなりません。そのため、治療期間は症状によって異なりますが、6ヶ月から3年間ほど必要とします。
このため適切な時期に適切な処置ができるように、不正咬合の種類、程度に応じて治療時期を決めており、治療開始までお待ち頂く場合もあります。なお、治療期間中は毎日通って頂くのではなく、たいていの場合1~5週間に1度通って頂くことになります。また、矯正治療に際して、不正咬合の種類、程度に応じて、永久歯を抜く場合がありますから、あらかじめご了承下さいますようお願いいたします。

次に、矯正治療に用いられる装置についてお話しします。

装置は大きく分けて取り外しの出来る可撤式型と、自分では取り外しの出来ない固定式があります。可撤式の場合は、患者さんの装置に対する協力がないと治療が進みません。また固定式の場合は、口腔内が不潔になりやすいので、虫歯にならないように口腔清掃に人一倍努力して下さい。更に装置は、口の外からも使用することがあります。これら装置の使用方法については先生、歯科衛生士、歯科助手からの説明、指示がありますからその指示に従って下さい。
最後に、一見治療が終わったように見えても、これでOKと言われるまで通院しなければ、後戻りし再発したりして完全な治療は望めません。根気よく、がんばるようお願いいたします。
《注》矯正治療前に虫歯、歯周病は完全に治療いたします。